2011
01.24

玉城徹『左岸だより』を読む

昨夏亡くなられた、玉城徹氏の個人誌『左岸だより』が
短歌新聞社より12月に刊行されました。
手に取られた方も多いのではないかと思います。

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「ごく親しい人にのみ」というスタンスで
発行されてきたこの誌を
「親しい人ではない」わたしたちが手に取ることができるのは
ただ、ご家族の文学への熱い意志によるものです。


ずっしりと厚く、ずっしりと重い。
その分量は、
現実の重さだけではなく、
現在の混沌の短歌界へ投げかける問いの重さでも
あるように思われました。

わたしが特にこころ打たれたのは、

美濃部達吉が天皇機関説を唱え、不敬罪で訴えられたとき、
玉城少年が

それでも偉くなってから言えば、この程度で済む

と独り言を言い、
それを聞いたお父様が

おまえ、そんなことが分かるのかい

と聞いた、というエピソードです。


このエピソードは数回、記述が見られるのですが、
すでに、玉城少年は驚くほどの鋭さで
世の力学を見抜く力を持っていたのだと思われます。



まだ時間がなくて、隅々まで読んでいないのですが、
繰り返し、繰り返し読むことで、
自らが考えることもまた仄か明かりに
照らされる気持ちがしました。










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