2014
05.09

大松達知歌集『ゆりかごのうた』

「コスモス」に所属する大松達知さんの歌集『ゆりかごのうた』(六花書林)。

第四歌集となる『ゆりかごのうた』は

教員としての日々の他に、新しく家族となったお子さんとの日々が綴られています。


教員として、夫としての立ち位置に新たに父としての位置が加わった喜びと驚きが

率直に綴られていく。まぶしいです。


文系と理系に分かれ会議せり腓つめたき春のゆふぐれ

ゆびさきをこつちに向けてつまさきをあつちにむけて何か出でゆく

生まれたる日の体重の4ケタをアマゾンの暗証番号にせり

おほげさに言へば命に一献の朝ひとり飲む父として飲む

にんげんになりつつあるか二ヶ月の吾子の足指ときに臭へる






家族詠というのは難しくて、ともすれば感情が長けてしまって

愚痴や自己慰撫が多くなりがちですが、

大松さんの歌はそうした傾向から回避されている。


なぜなのか考えてみるに、今までの教員や夫という立ち位置と

等位で、「父」を捉えているからではないか。

究極には「父」という職業詠ともいえる。

対象としての「小さい人」は、なんと日に日に変化していくではないか。

これほど日々同一物で変化に富む歌材もないのではないかと思います。



わたしは我が子の育児にずいぶん苦しんだので、
(自分の母乳が出ない・子どもの体重軽いなど、出産直後から)

歌のすべてがとても眩しかった。歌人がお父さんっていいなあと

お子さんをうらやましくも思いました☆



お子さんをもつ・もちたい全ての方々にお勧めの歌集と思います













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