2015
02.16

花山周子歌集『風とマルス』を読む 


「塔」に所属する花山周子さんの第二歌集『風とマルス』。(2014.11 青磁社)
2007年から2010年までの歌が収められています。

対象をじっくりと凝視して、対象の新しい側面を見出していく歌がとても印象的です。

傘させば雨は明るさもちて降るさくらの青にけやきの青に

中華街に赤い光のおびただし弟の顔細く見ゆるも

太陽は丸いかたちに咲く花だ割り箸わって炎天下なり

ペットボトルにみず立ちている食卓の二千ミリリットルうらがなしくあり

うさぎの毛くうかんに浮くさびしさの窓をあければ如月の風



美術の世界に携わっている作者らしく、明度・彩度ともなにか自然に身のうちから出るように
言葉もゆたかな色彩と明るさに満ちている。

一首目、雨に明るさを見出していて、さくらやけやきにも青色を見る。独特の把握がとても印象的です。
五首目は「くうかん」というひらがながぽかんとした乾いたさびしい感覚を表しているように見える。2月の明るい、年度末の淋しさのような・・


不思議に読み手の深いところに響いてくる、印象的な歌集です。
収録の歌が2010年までということだから、さらに現在までの歌集が楽しみです・・!