2016
08.07

塔短歌会・東北『1833日目 東日本大震災から五年を詠む』

塔短歌会・東北の皆さんが集って編まれている、
東日本大震災についての歌を収めた
『~日目』の歌誌。

このたびは6冊目となる、
『1833日目 東日本大震災から五年を詠む』が発刊されました。


震災からの歳月をそれぞれに歩むということ、
少しずつ分岐があり、1人の上に1人の生が重く分かれていく。
震災被害直接のこと、また回顧や前を向く歌もあり、
それぞれの震災についての捉えについて考えさせられます。


いまだ死者とかぞへられざるひとびとの十一日の集中捜索        
             梶原さい子

踏みとどまるために踏まれて汚されてなほ捨てられぬここがふるさと   
             小林真代

五年といふ長さを思ふ ちひさなる犬の五年は人の三十年        
             斎藤雅也

人々を救ひし青き歩道橋ペンキうすれて錆の増えたり           
             武山千鶴

忘却を許されてあれば四年目にしずかにベビーブームはありたり     
             三浦こうこ



私個人がくっきりと感じたのは、
津波被害の大きい二県と、
原発事故があった福島の人たちの
歌の雰囲気の違いでした。

福島の人たちの詠んだ歌には
どうしようもなさ、やるせなさ、そして不安のようなものが
今も当時と同じ圧でにじみ出している。
福島に住んでいる自分にはそのことに非常に共感しながら
拝読したのでした。

1年ずつを次の年にむけて、どんな歩みをされるでしょうか。
思いをその都度形にしていくのは
とても苦しい作業かもしれないけれど、
続けてほしいとも思う一冊です。

同時にわたしも福島の、この今を詠んでいこうと思いました。







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