2013
06.03

歌集『浅黄恋ふ』さいかち真 を読む

未来に所属するさいかち真さんの第3歌集。

硬質な文体と韻律にも神経の行き届いた、
作者の作歌美学も十分に体現した歌集だと思いました。

かといって、厭世的でもなく、世俗の中にありながら
受容し、ときに諦め、また疑念をもったり、あるいは感激したり。
さまざまにいきいきとした情動が綴られていきます。



とろとろになりし我欲は壺に入れ揺すりて後にうつぷと流す

二人子の春の遊びや愚かなる衣装ケースの蓋でシーソー

「寝なさい」と言つても寝ない「うるさくて眠れない」と口答へするが聞こゆ




全体としては硬質な作りなのだけれど、
上のようなご家族を題材とした歌に、より作者の体熱を身近に感じることができるように思いました。
諧謔もあり、大人の余裕が感じられる、深い歌集だと思ったことでした。


追記・2015.5.15 ご紹介の内容に、配慮が足りませんでした。ここにお詫びして訂正版を再掲いたします。
          今後はいっそう、的確な言葉で歌集を読むことが出来るように精進したく思います。
          

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