2013
06.06

本多響乃歌集『猫は踏まずに』を読む。

未来に所属する、本多響乃さんの歌集『猫は踏まずに』。
ご縁をいただいて、わが家へお迎えできました。

手のひらサイズのちいさな歌集です。
ページを繰ると、左に写真、右に歌が記されています。
左の写真は右の歌と関係あるような、ないような。
しかしとてもポエティツクな雰囲気に彩られています。

歌は、とてもさみしい。


レシートに



一人






と記載されてゐて

わたしはひとりなのだと気づく






朝はまだ制止してゐる観覧車
いのちが乗れば動きはじめる



あなたたち
そんなところで何をしてゐるのつていふ
はうの人間



てのひらをうへにむければ雨はふり
下にむけても降りやまぬ雨



表記についても凝らされていて、
それが衒ったもののように感じないのがとてもいいと思います。

この人は、なぜこんなにもさびしいのだろうと思う。
作者その人を少しだけですが存じている自分としては
彼女の内部を、見てはいけなかったかもしれないものを見てしまった思いがする。

しんしんとした寂しさを抱えて
表現に載せるとき、とても大きな波となって読み手に届くのだと
改めて感じた歌集です。



歌集出版というのはいつでもその専門会社に依頼したものが流通し、
各所で取りあげられてられるようになっているけれど、
インフラはひとつではない。
かえって、本多さんや以前、此処で触れた瀬戸夏子さんのように
佳品がそこここに光っている。のに、見過ごしているのではないか
と思われます。

この歌集が多くの方と出会えますように














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