2014
01.05

富田睦子歌集『さやの響き』を読む。

あけましておめでとうございます。
今年も皆様にとってよい年となりますようにお祈りいたします。
お正月も終わりに近づき、ほっとするような、さびしいような。
明日からまた復帰できるのかしら。。。
また今年もいろいろな歌との出会いを楽しみにしております。

今日読むのは、
「まひる野」所属の富田睦子さんの第一歌集『さやの響き』。

結婚、妊娠、出産といった、女性ならではの出来事とともに、
密接な他者である夫となった人、そして我が子との関係が濃密に描かれています。

非常にストレートで、あたたかい。
富田さんのようなお母さんだったらお子さん幸せだろうなあと。
大きくなられてからお子さんが読むことができたら素晴らしいですね。


寝返りのたびに弥生がたたまれてベッドは凪をただよう小舟

夏雲だ、と思いしのちの輪郭が濃くなりゆきて子は泣き初むる

いきものを育てていると思いおり が いつのまにか人間である

咳ののち沈黙となるやわらかな雨の降る日の弁護士事務所

いつかきみに告げんはじめて淋しさを知りし晩夏の葉脈のいろ



我が子の成長と葛藤と、驚きが誠実に描かれていく。
4首目、5首目は巻末近くに置かれていて、
子を産む前の己のみの歌。
厳しい自らの職業をとりまく環境ときみとの関係が
真っ直ぐに描かれている。

何時の時代も育児は大きな仕事であると思うけれど、
この仕事を成し遂げられるのは、一人での孤独や厳しさを知ってこそだと思う。
次回作が早くも気になる歌集です・・









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