2014
09.10

齋藤芳生歌集『湖水の南』を読む

かりんに所属する、齋藤芳生さんの第二歌集『湖水の南』。

福島という故郷を持つ齋藤さんの思いに溢れた歌集です。

外国での生活・震災・原発事故・仕事など、

故郷を離れての長い生を経て、今、生きているということ、

自らの生そのもののルーツを深く感じる。




連翹の枝を挿すなり父祖の土地の放射線量を測るかわりに

蝶たちの触角震うつるつるの紙に両翅の刷られゆく時

帰国後は眉山をややなだらかに描くようになり雨を見ている

私の愚痴のようなる濁りとも湖に巨き雷魚ひらめく

視力測る機械のぞけば遙かなる気球ありぼやけては音の鳴る




歌は震災の時間と過去が入り交じり、

時間軸を往復していくように構成されていて、

幅広い、力強い詠み方が歌の軸とまっすぐに支えていると思います。


待望の第二歌集。装幀も美しいです。

ぜひ多くの人に読まれますように・・・・・







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