2018
04.10

及川俊哉詩集『えみしのくにがたり』を読む

詩人・及川俊哉さんの最新詩集『えみしのくにがたり』が刊行されました。


『ハワイアン弁財天』に続く第二詩集です。

及川さんの出身地・・現在地である東北について、
かの震災を経て、土地に生きること、生き継ぐことのありようを
詩の方法を駆使してゆたかに描き出されています。

四章にわかれるうち、自分がとても魅力的に感じたのは

三章の東北方言を使った作品群で、

一人称・口語の語りが醸す肉感のようなものは

身近に東北に生きる人間の体温を

感じることが出来るありかたであると思う。



ほんとのこと、
いわねばねど
思ってんだげんぢょ、

ほんでくてねな。
(中略)

もは風ェコさはなすよんた気ぁするじゃ!

                                「風の対話」



(詩の世界では引用をどの程度にしてよいか、少し遠慮気味にしてみました)

「くにがたり」とタイトルにあるように、「かたり」は人によってしか成し得ず、

「かたりつぐ」こと・「かたりあらわす」こともまた人によってしかできないだろうと思う。

ナラティヴと通じるものもありますが、ここで見えてくるのは

人間の生きることそのものの力の放出であると思う。




生の迸りが「かたり」としての理知的なかたちを持つとき、

この詩集が生まれていたのだと思います。

ぜひお読みください


back-to-top