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2018
04.29

4月に思うこと・インフラ整備

Category: My works
とある歌人をさかのぼって調べていくときに
その歌人が刊行していた歌集や歌書など、
数多くの資料を当たっていくことになる。

しかし、その数が膨大な歌人であろうと、寡黙な歌人であろうと、
すべてをそろえること、あるいは入手という方法ではなくても、
全容を目にすることは非常な難儀だ。
国会図書館に行ったとしても、得られる情報は断片的で、
足しげく通うことも難儀だ。(これは調べる人の方の環境が大きいが)
つまりはインフラが全く整わないのである。

すると、よりインフラが整っている人(資料を多く当たれる人)が
歌人研究の高峰に登れることになり、
インフラを自力で整備できない人は歌人研究を完成しにくい。
もちろん、その困難を乗り越えて、10年単位で歌人研究に取り組む方もあろう。
3人集まればなんとやらで、会を作って研究する方々もあろう。
しかし、多くは集められた分量の表層的な部分にとどまってしまうのではないか。

これはもうずっと以前から言われていることだ。
資料のインフラ整備は折々に言われてきたが、
現実的には完全に網羅・整備するのは難しいだろうと思う。

以前は結社が保存の役割の一端を担ってきたと思うが、
今や結社にない歌人も増えた。
「故人」は減少せず、むしろ増加するばかりなのだから、
さらにこの問題は次世代にも引き継がれていくだろう。

このことは歌の世界での評伝及び評論分野の貧窮も意味するのではないかと思う。
インフラ不備→集まらない→書けない→放置→さらに環境(書く人・集める人)の散逸
という現実のスパイラルは広がっていく。
歌人研究に取り組む組織なり個人なりの努力や資料のありようが
もっと公開され、喧伝される方法があっていいと思う。

ネットは今日も隆盛だ。しかし根本的なところで腰を据えないと、
ファスト的な満足する空気はさらに浸透していくだろう。







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