2011
01.31

「てんとろり」を読みました

319f4bp1H3L__SL500_AA300_.jpg
          『てんとろり』書肆侃侃房 



ゆびさきのきれいなひとにふれられて名前をなくす花びらがある 
(さんさろ)




2008年1月24日に亡くなられた、
笹井弘之さんの第2歌集。

 
笹井さんの若すぎる死のニュースは、
今までに彼の歌を読んできた人以外の人にも
目を向けさせる結果になったと思います。


彼より10ばかり年かさの私は、
他の結社のなかにいて、
彼からはまったく距離を置いて、
遠く眺めていたひとりだと言っていいと思います。

その春に行われた追悼の会にも
家事により出ることはできませんでした。



歌葉新人賞の受賞、口語短歌の嚆矢、ネット出身だが本格的な歌人の登場、
百年に一度の天才、夭折歌人、第2歌集、遺歌集・・・

彼を悼む言葉は今もつきることがありませんが、



もう一度、「夭折の」という修飾語を除いて
ひとりの若手歌人の歌集として
読むことが必要なのではないかと思います。

わたしが少し気になったのは、

「たったひとつの」とか「1羽の」「一匹の」などという、
数詞を使った歌がわりと多く見られたことです。


液状の鳥がプールに満たされていて夜ごとに1羽ずつ減る

喩えではなくてちぎれてゆくひとの、さようなら一枚の青空



たとえば、このように。

これについてはあまり触れている論に行き当たりませんでした。
まだ、研究が待たれる作品群なのだと思います。


新しい歌集を語る会がにぎやかに催されているのを聞きます。
それらのように、
第2歌集を語る会があればいいなぁと
思ってやみません。


そして、あらためて笹井さんのご冥福をお祈りしたいと思います。












トラックバックURL
http://seabottle.blog103.fc2.com/tb.php/32-183ff645
トラックバック
コメント
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top