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2018
07.30

田口綾子さんの歌集『かざぐるま』を読む

「まひる野」に所属する
田口綾子さんの第一歌集『かざぐるま』(短歌研究社)が刊行されました。





背筋の通ったひとが、その背筋の直さゆえに
なにかぎくしゃくと軋むような痛みをもって、
現実とむきあっているような歌歌が綴られています。
そんな日々が少しずつ、明るい方へ歩んでいく、
更新もまた含まれていく幅の大きい歌集だと思います。


ひとりひとり紙ひかうきの折りかたがちがふやうに日は暮れゆくものを

かつて受けし授業と今からせむ授業 心に隣り合はせて置けり

未来とは思ひ描くものでしかなく水切り籠に食器を重ぬ

あと一首なの、と丸まりをれば夕飯の米とぐべしと立ちたり君は

全粒粉(ぜんりふふん)か、全粒粉(ぜんりふこ)かを争ひて食後にそれぞれ開くGoogle


自分は上のような歌に心を惹かれました。
「他」という存在が現れることで、
「自」はいきいきと動き出す瞬間・時間を得るのだなと思います。

青春性とくくるのは早計の、
溢れるばかりのゆたかな歌集だと思います。



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