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2018
10.27

タケイ・リエ詩集『ルーネベリと雪』を読む

詩人タケイ・リエさんの新しい詩集『ルーネベリと雪』(七月堂)が刊行された。
26の詩編から成る、装幀も澄んでいて美しい詩集。





この詩集を拝読する機会をいただいて、短歌をやっている自分に、
とても静かで明るい時間と考えをもたらしてくださったように思う。

前半にあるのは、
乾いた様子をみせながら、
その実ひどく傷ついている雰囲気がある。
耐えながら、傷を傷と確かに認識しないで、そのまま過ごしている風だ。

しかし後半、
この詩集のタイトルにもなっている「ルーネベリと雪」からは
それまで重い曇天、雪空から降っていた雪はやみ、
雪野原がかがやいて眼前に広がるような
突き抜けた明るさと平明さのある詩編が出で来る。

転換点のように置かれた「ルーネベリと雪」は
その名の通りルーネベリの故郷らしき土地が描かれ、
土地のさまざまが象徴的に捉えられている。


十一月の終わりに世界は雪
街は雪をしっかりと抱きとめる
世界が雪を抱きとめるので
雪もたえまなく降り積もる
                               「ルーネベリと雪」部分



街、世界が雪を「しっかりと」抱きとめる場があること、場ができたこと
この詩の小さな言祝ぎが読み手にはうれしい。

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