2011
11.08

元同僚の先生からの手紙

Category: 壜のなかみ




今日は、短歌の事ではありません。

昨日、私宛に一通の手紙が届きました。震災前まで、大学で一緒に働いていた、
元同僚の先生からでした。

その先生は、双葉郡内に住んでおられ、いわき市の大学まで来るまで通勤して居ました。
震災前に退職されたのですが、直後に震災があって、ごたごたしている間に
あっという間に半年が過ぎてしまいました。

原発事故で、その先生のご自宅は警戒区域に入りました。

1ヶ月ほど前、地震で紛失していた住所録が出てきたので、
元の双葉郡のご住所におみまいの葉書を出したのです。


そして昨日。
郵便局がきっと新住所に転送してくださったのでしょう。

お返事が来ました。

先生は震災直後から避難所を転々とした後、
現在は東京都内でご家族と
一緒に暮らしておられるとのこと。

あたたかな様子で近況が綴られた後、
先生のお手紙は最後に、こう結ばれて終わっていました。

「今ある境遇を最高のものとして、お互い頑張りましょう。」


今ある境遇を最高のものとして。


わたしは立ち止まりました。


最高のものとして?





震災のある・なしに関わらず、

今ある境遇を最高のものだなんて、
私は今まで一つも思ったことはなかったなぁと。

むしろ現状への不満や鬱屈した部分が自分の日常のすべてであったと思います。
それは震災後のいまの状況となっても、やはり変わっていないのです。
もっと、もっと、と自分は欲張って生きてきたように思います。


今ある境遇を最高のものとして。



先生はどのような気持ちでこれを書かれたのでしょうか。
避難者の強がり?あきらめ?開き直り?
どれも違うような気がします。

しばらくしてから、わたしは「知足」という言葉を思い出しました。

足ることを知ること。


そうしなければ、いくら脱原発をしようとも、
私たちは豊かさを求めてやまず、また同じような事が起きるのではないか。

足ることを知り、現状に幸せを見いだすこと。

それが今の自分に考えるべき命題なのかもしれないと思います。


今ある境遇を最高のものとして。


そう、本当に身近なあれこれを
最高のものとして生きてゆきたいと思います。


一歩ずつ。











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