2010
10.01

本田一弘歌集「眉月集」

本田一弘歌集「眉月集」(青磁社)
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「心の花」所属のの本田一弘さんが、
実に10年ぶりとなる、第2歌集「眉月集」を
刊行されました。




人はいつ熟るるといふか月光に斉しく濡るるわれといちじゆく


晩夏光みつるゆふぐれ身の洞をこゑいつぱいに濡らし鳴く蝉


やみくもに誰かを愛し憎み得し季節を誰もせいしゆんといふ


君としも頒ちえぬこと言の葉に写してわれはなにをしてゐる




待ちに待っていた、

第1歌集「銀の鶴」に著しかった、

青年期の迸るような荒々しさや情熱は、

いま静かな眼となって

あらゆる事象を見つめます。



妻。

祖母。

自然。

古今の歌人。





しずかな観照が

実直な表現をとり

歌となって現れています。

口語短歌が破竹の勢いで

歌壇を席捲してゆくなか、

本田さんの歌は

非常に安定感があり、

血統を正しく継いでゆくだろう、

というある確信を覚えるのです。



鳴き遅れたるかなかなよ自らのペースで鳴けばそれでいいのだ



もう若くはない年齢に首肯して、

自らを取り巻くなべてのものに本田さんは耳を目を澄ませます。




箴言として立つてゐる一本の杉の愚直を愛するわれは



本田さんとは同郷のため

お会いする機会が多いのですが、

実際に本田さんは

いつも静かに微笑みながら聞き役に徹します。

そのイメージは

猪苗代湖畔にたたずむ磐梯山のようです。

磐梯山はかつての噴火によって、

山の北側は岩が吹き飛び、

静かに見える表の「表磐梯」と打って変わって、

荒々しい「裏磐梯」という異名をもつほどの

景観が異なる山です。



静かななかに、

情熱を秘めた男性歌人。

本田一弘さんの歌の魅力は尽きることはありません。




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