2010
10.01

森岡貞香歌集「少時」

森岡貞香歌集「少時」(砂子屋書房)



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森岡氏逝去後に刊行された、
第9歌集『九夜八日』につぐ、第10歌集。

2000年から2003年までの4年間の発表歌をまとめています。


意識下なのか無意識下なのか、森岡氏独特の

「時間」についての歌が多く見られます。

時間・空間を掴む歌人といわれるゆえんがよく分かります。




過去・現在・未来といったような「時制」、

少しの間、しばらく→少時という「時間」

「あいだに」なのか、「あいだ」なのか

助詞ひとつの置き方でも

意味はめまぐるしく変わってゆきます。



わたしたちならば計算尽くでやってしまうところが、

森岡氏の場合は身から自然に出ている表現として

現れているように思います。

そうした独特の感覚をもっているからこそ、

今までいろいろ論じられてきたのでしょうね。






くうふくは赤き木の實を呑みこみてすぐに去ににき古きよりのこと


をさなごは木片滑らせあそびゐるむかしの日ありきかくまぢかくに


いまはただ自らをうとんじゐるにしも眉刷毛をもてさつと刷きたり


ちちいろのうつつひろごり山裾の梅畑うつつわれの一日に


藍いろの海風に枯生の映りたり汝のくるまの加速の少時に






後記はこのたびもご子息の璋さんが記しておられます。

「九夜八日」の後記に比べて、明るさを感じる文章です。

お母上の死のかなしみから、歌を集め、歌集となすことは

璋さんの再びを立ち上がってゆく「喪の作業」であったのかもしれません。





この後、あと5年分がお手元にあるということでした。

刊行がとても待たれることですね。




読者の一人として、いつまでも憧れであり続ける森岡貞香氏。

もっとお話したかったと思います。








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